前回でドラムに巻きつけるところまで書きました。
今度は、そのドラムからビーム(お巻)に巻きつけるところです。
先のドラムに巻くところはあくまで経糸の仕様に合わせた長さ、幅を作りました。
この工程はビームという鉄の棒に、ドラムに巻いた経糸を「均一のテンション」で巻き移す事にあります。
なぜ均一のテンションン?
やはり着物の生地、スッと上から下へ流れ落ちるような綺麗な目やハリが特徴ですよね。
経糸が少しでも歪んでいたら、生地全体が歪んでしまいます。
また、歪むと綾下げといい織る際の経糸の上下運動の動きも悪くなり難がでるとか。
大変地味なのですが、とても重要で難しい作業です。
生地でも幅の広いもの、狭いもの、薄いもの、厚いもの、糸の種類。。様々。。。
注文も年1回とかのもありますし・・・
微妙な、微妙な違いを体得するのが、難しい。。
さて、ビームに巻くところですが、おおよそ以下の流れです。
5-1.ひっぱる布の端に生地をつけます。
5-2.ひっぱる布の逆の端をビームにくっつけます。
5-3.テンションの調整と巻く位置を調整します。
5-4.ビームに巻きます。機草(はたくさ)を入れつつ、テンションを確認しつつ。
5-5.巻き終わったら、布でくるみます。
ここからまた、写真で流れを見てみましょうか。
10/24 午前
ドラムに巻き終わった後の状態ですね。
まずは、ビームを整経機にセットします。コレが重いんだなぁ~。
今回は広巾のものを使います。
このビームも数種類あり、生地により使い分けています。
引っ張る布の端に、ドラムにピン止めしていた部分をつけます。
テンションが均一になるようバランスよく配分する計算をしています。
この作業も、ドラムの右側でするものもあれば、左側でするものもあると、それぞれです。
どういう風にくっつけるかというと、こんな感じです。
バランスよく配置しながら通していきますよ。
くっつけ終わりました!!
出来上がりはこんな感じです!綺麗ですね。バランスよし!
ドラムを手で回して巻き取り側へ送ります。
布の反対側を引っ張ってビームのある方に、テンションをかけるようにローラーを上、下と通していきます。
そして、ビームにくっつけます。
機械のテンション調整をして、確認しつつ巻取りを進めます。
巻取り位置を慎重に決定します。
ここで間違え、巻いている途中にずれてビームからはみ出てしまった~なんてことになると、織る事ができません。笑
こんな感じでテンションをかけます。五泉の地の強い、厚手の生地の源でしょうか。
あっ、巻いている途中の写真撮り忘れました。
巻き終わったら、布を巻きます。
そして、仕掛伝票を挟めて終わりです!
最終形。
今回はまず試しに織ってみよう!という段階なので、経糸の尺は短いです。だからビームも小さめ。
仕掛り伝票。
今回は心を込めて、私が書きました。
写真とって見ているだけなのでこれぐらいは・・。
ちなみに、ドラムには繰り返し繰り返し36回+αの分巻きました。
+αとは生地の耳の部分とかですね。まぁ約40回近くです。
ここまでで、ようやく経糸ができたところです。
次は、これが織場にお嫁にいき緯糸と交わるところです。
つまり織るところですね。