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2014-11-19

その8:経糸をつなぐ

前回は経糸をつなぐための準備でした。今回は経糸をつなぎます。

そもそも、経糸をつなぐ、とは、どういう事でしょう?

織物を作る際には、織り機が必要で、そこにセットする部品が必要です。
例えば、
筬(おさ)・・・生地の経糸(たていと)の位置を整え,打込んだ緯糸(よこいと)を押して,定位置へ移動させるもの。
綜絖(そうこう)・・・緯糸を通すために経糸を上げ下げするのに必要なもの。
綾(あや)・・・紗や絽といった捩り織の場合は、糸をもじるのに必要なもの。

これら部品一式は、作る生地の規格に応じて、部品の規格が違いますし、当然そこへの糸の通し方が違います。

新しい規格の生地を作る場合、上記の(筬とか綜絖とか綾)一式は、設計して時間をかけて準備します。これが大変。その後の量産は、その一式をとっておいて、前回使った経糸と、今回織る経糸をつないで使います。一から作りません。

今回のヒッコリーさんの紋緞子の生地の場合、当社では特殊織物という位置づけで、織り機毎にセッティングが決まっていて(すなわち、上記の一式がもう織り機にセットされている)、そこに新しい経糸をつなぐ、という段取りになります。その他着物の生地などは、織り機に部品一式(筬・綜絖・綾など)を付け替えて織ります。

さて、今回のつなぐ作業ですが、機械で行います。
なんせ、1万本以上。
手でつないでいたら日が暮れます。
暮れるどころか、昔は二人でやって1週間かかっていたそう・・。気が遠くなりますね。
こういうものを生み出してくれた会社に感謝です。
※ちなみに、今回は機械ですが、生地によっては手つなぎのものもあります。種類や特徴に応じて分けています。

作業の手順としては、

8-1.つなぐ為の機械を織り機にセットする。

8-2.クリップ単位で前回の経糸と、今回の経糸を機械につなげる。

8-3.機械を手でくるくる回し、つなぐ。

8-4.1つのクリップ分が終ったら、次へ。

8-5.おかしなところは都度対処。

といった感じでしょうか。
また、例により、写真でイメージだけ伝えます。

前回の終わりの状態。

機械をセットします。

まず、前回の経糸をセットします。

今回の経糸をセットします。

そして、ここでも命である綾の確認。
そして、綾に機械の横棒部分を通します。

前回と今回の経糸がお見合い状態!

機械を動かす前に、糸捌きを良くする為に糸に油をつけます。

機械のハンドルを手で回します。するとお見合いしていた糸同士が機械に近い方から、どんどん結ばれていきます。なんて素敵♪

結ぶ部分のアップ。2本引き揃え、機械の中で結び、糸を切る、ということをしています。

アングルを変えてもう一枚。

結び終わるとこんな感じ。クリップ2つ分結び終えた状態。

単純作業に見えますが、そうではないのです。
ハンドルを回す際も、機械を常に監視し糸の引き込みがおかしかったら直さなければなりません。すごい集中力が必要。
機械が、前回・今回で1本ずつ結ぶのに、片側2本引き込んでしまったら、糸の本数があわなくなる・・・。
ましてや1万本以上あると、何事もなく終わるということはほぼない。
機械の引き込みではなく、気づかないところで糸が切れたりしていても、当然経糸の数があわなくなる。
これを直していくところが地道であり大変なところ。
とにかく、局面局面にどう対処していくかの経験値が要求されます。

今回ももちろん色々ありました。その修正がこちら。
切れている部分を探します。

釣り込みの中から探します。1万本の1を探す作業。

手の感覚だけで探し当てるようなもの。

糸をさわり、テンションから状態を把握する。手のひらに経験値がつまっている。

まだ切れている部分はありますが、おおよそ目処がたったようで一度機械つなぎはおしまい。
今回の経糸部分を少し巻取り糸を張るようにしていきます。

結ばれた糸たち。仲良くしてね。

経糸のテンションを少しきつくするとこんな感じ。
さすが機械。同じ位置で、同じ長さで結ばれていますね。

今回はここまでとします。
次回は、切れた糸の修復をし(これが大変)、今回の結び玉の部分を綜絖を通し、筬を通して織れるようにしていきます。

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