toggle
2014-10-27

その3:たて糸をつくる準備2

その2の続きをお伝えしたいと思います。
前回、整経工程の準備で、糸を使う木枠を切り替えました。
今回は、その後の整経機側からひっぱてみてスムーズに糸が流れるようにする部分です。

あと、今回はあくまでヒッコリーさんのデザイン生地を作る仕事の写真のみです。
工程をお伝えするために他の写真を持ってきたりしていません。
よって、いい写真を撮りそこねてしまった・・・など多いにありました。
ご容赦ください。

さて、木枠を並べかえ糸をつなぎ終えた後の流れを簡単に書くと、
3-1.ドラム側から糸を引いてみます。
ドラムにひっかける部分があるので、糸を束ねてひっかけてひっぱります。
引っ張る時は糸をトントンとしながら慎重に。

3-2.糸がからまったり、ひっかかったり、ぬけたりしたら、直します。

3-3.その2で上と下の木枠の糸をつなぎましたが、その繋ぎ目が手元にきて糸がスムーズに流れるようになればOK。

3-4.送り筬を仕様に基づき通します。

3-5.巾取り筬を仕様に基づき通します。

さて、写真を元に見ていっていましょう。

ドラム側(糸を引く方)から見るとこんな感じで木枠が並んでいます。
糸は木枠から上にあがり、上にある穴を通って、ドラム側に引いてあります。

ドラム側へ通じるところの下に潜り込んでみました。こんな感じでたくさんの糸が集約されていきます。

糸は一本一本この穴を通っていきます。

糸を束ねて引っ張っていきます。引っ張る時は軽くトントンとしながら。(この辺は書いて説明するのは面倒ですね)
今回は1本だけ糸がピンッと張りました。写真みて分かりますでしょうか。
これは木枠のところでひっかかって糸が引っ張れない状態になっていたのです。
絡まっている部分を直して緩まりました。
このように手で感触を確かめながら進めていきます。

おっと、今度は一本糸が抜けていたぞ。抜けている部分を特定し、抜けている木枠を探し出し糸を通します。
これが中々に私は不慣れであの沢山の糸の中に身を投じると、体中に糸がくっつき、かえってゴチャゴチャにさせてしまうのです。笑 1つ直す予定が、2倍、3倍、いや10倍くらいに被害を大きくして・・・、時間だけかかるなんてありましたね。。最後は泣きついて助けて頂きましたが。

抜けている糸を直しているところ。やっぱりスムーズに進んでいます。すぐに終わりそうです。。

送り筬の部分、既に職人さんが作業を終えていました。。よって写真がありません。
通常、着物の生地を織る時はここで糸を集約します。
◯◯入れなどと言い経糸の密度(入れ数)を表します。入れ数により生地の厚みや強度が決まります。
今回の生地は紋ドンス。緻密な織を表現するので、経糸は”一本使い”です。
当然1本って事は切れやすい、もちろんトラブルになりやすい。
しかし、そこは今までの歴史(ノウハウ)と職人さんの技術で補います。

送り筬を通すところで糸にテンションをかけます。
整経はテンションを与えたり、揃える事が重要になります。
これは織機で織る時の良し悪しに影響するとても大切なことです。

送り筬を通した後、仕様に基づいた糸本数ずつ幅取り筬に通します。
この本数も設計に基づき行います。経糸の密度を十分に考慮して・・。
地道な作業ですが、間違えられません。

糸を摘むところのアップ。

幅取り筬に通します。ここに通した幅でドラムに巻きつけられていきます。

なぜか最後の完成形の写真をとっていないというミスがありましたが、大体こんな流れです。
次は、整経をしているところですね。