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2014-10-24

その2:たて糸をつくる準備

その1でご紹介させて頂き、これからは製造工程の写真やら動画やらアップしていってみようかと思います。
今回はたて糸を作るところです。
織物は、中島みゆきの糸の歌にあるように「たーての糸はあなた、よーこの糸は私、織りなす布はいつか誰かを暖めうるかもしれない」とあるように、たて糸とよこ糸が交錯していきます。

たて糸を作るには、「整経(せいけい)」という工程を行います。
まさに、経糸(たていと)を整えます。
織物では、縦ではなく経という字を使いますね。

1)作る織物の規格を考える。

織物を作る時には、規格を決めてから織ります。新しいものを作る時には、尺:たての長さ、幅:生地の幅だけでなく、織物の生地のデザインや、風合い、堅さ・コシ(シャリ感)など、色々考えます。

それをどう実現するか??、織の組織やら、筬羽、経糸の入れ数、緯糸の打ち込み、等々を決めます。ここが難しいですよね。そもそも微妙な生地の触り心地、しかも言葉で表現しづらいことを如何に実現していくのですから。

今回の生地は既に決まっている当社の規格で織るので、すぐに規格に基づいて経糸の準備を始めます。

これが製産指令票です。今回は、たて糸で11,148本!!使います。そして、織るものは緞子(どんす)です。
緞子は正に絹!を彷彿させる光り輝く光沢感が特徴な生地です。
そして超緻密な織り。これが横正の腕の見せ所!!
ヒッコリーさんのデザインを実現できるのでしょうか??

2)糸の準備:切り替えをします。
つくる織物によって、使う糸の種類や本数が違うため、規格に応じた使う糸に並べ替えます。
どうやって切り替えるかというと、

2-1.いくつかの糸を束ね縛り、切ります。

2-2.下の木枠側の糸の切り口は、バラバラにならないよう枠にはさめます。
これで、上からたれている部分と下に並んでいる木の枠の糸が分離されます。

2-3.下の木枠を規格に応じて交換し並べ替えます。

2-4.上の糸と下の糸をつなぎます。

2-5.全部つなぎ終わったら、整経機側から糸をひっぱります。

2-6.糸が絡んで張ったり、抜けていたりするのを直します。

2-7.問題がなければ次へ。

これだけです、いたってシンプル、職人さんのスピードはすごい!
界王拳3倍以上のスピードで進んでいきます!!

2014/10/23 午後
切り替えているところ、既に全ての下の木枠が一度上と切り離され、上と下を1つずつつなぎあわせています。

細い糸を凝視したかと思えば、すぐに次の糸に目を移しています。

上で束ねました。これを1本ずつ下の木枠とつなぎあわせます。

蜘蛛の巣みたい。

上と下の糸を高速で結びます。

くちも大切。

ここまでで、並び替えてつなぎ合わせたところ。
次は引っ張って、問題ないか確認。そして、織り始めの辺りについて書きます。